地域の思いを
次世代につなぐ、
武蔵野市の環境啓発

お話を聞いた人

武蔵野市 総合政策部 企画調整課 課長 真柳 雄飛さん
武蔵野市 環境部 環境政策課 環境啓発施設係 山村 宜之さん

インタビュアー

高校 1 年生 ゆな

2022 年 11 月 19 日(土)、むさしのエコ re ゾ ートで開催されていた環境キッズフェスタ 2022、中央線沿線の 5 市(武蔵野・三鷹・小 金井・国分寺・国立)が連携するイベントで、 今年度は「環境」がテーマとして掲げられ、子 どもたちが環境問題を自分事として捉え、自 ら考え、行動につなげられるよう、スタンプラ リーやワークショップ、ゲストによるトーク ショーが開催されていました。イベントにつ いて、企画調整課の真柳さんにお話しを伺い ました。

どうして「環境」をテーマにしたのですか?
まず第一に、環境問題についての意識の高まり、ということがありました。特に若い世代にその傾向が顕著 にみられました。誰にとっても重要なテーマであると ともに、若い世代の関心も高かったことが、「環境」 をテーマにした大きな理由です。そして、武蔵野市に は今回イベント会場となった「むさしのエコ re ゾー ト」という素晴らしい環境啓発施設があります。本来 であれば、もっとたくさんの方に訪れてほしい施設な のですが、コロナ禍中の開館だったこともあり、イベント開催が制限されていたり、大々的 に来館を促すような広報ができなかったので、今回やっとイベントが開催できる状況になり、ぜひ多くの方にまずは施設について知ってもらいたかった、という思いもあります。
イベントの狙いについて教えてください。
イベントに参加した方に「楽しんでもらいた い」というのが一番の狙いです。環境につい て、ただ話を聞くだけ、展示を見るだけ、の受動的な内容にはしたくないな、と思いました。 子どもたちが、環境問題について興味をもったり、行動を変えるきっかけにするには、楽しめること、実際に自分で手を動かしたり考えたりすると、この 2点が本イベントの重要な要素です。
テレビでおなじみの気象予報士のくぼてんきさんからお話を聞いたり、クイズに答えたり、自転車をこいで発電したり、ペットボトルキャップを使ってワークショップ をしたり、子どもたちが「やってみたい」「楽しそう」そう思ってもらえるように工夫しました。
フィナーレを飾る、プロジェクションマ ッピングでも、実際に自転車発電で作られた電気を使って投影するとどれくらい投影できるのか、という実験も最初にお見せします。あれだけ頑張ってこいでも、投影できるのはこんなに一瞬なんだな、と実感できると、電気を こまめに消そうとか、空調の設定温度を上げ下げしすぎないようにしようとか、行動につながっていくと思っています。今回のイベントを通して、何か少しでも考えや行動に変化があったら、うれしいです。
会場となったむさしのエコ re ゾートについて、環境啓発施設係の山村さんにお話しを伺い ました。
むさしのエコre ゾートについて教えてください。
むさしのエコreゾートとはごみ処理施設をリノベーションして作られた施設で、環境問題に関する展示をしていたり、ものづくり工房で廃材を利用した制作などを楽しんでいただいています。日本の中でもかなり珍しいケースだと思うのですが、わざわざごみ処理施設をリノベーションしている、という点がとても重要なポイントです。武蔵野市のごみ処理施設は、住宅街の真ん中にあります。普通、山奥とか川の近くとか、あまり人が住んでいない場所に作られるケースが多いのですが、武蔵野市の場合、適した土地がなく、周囲の地域住民の理解のもと、市役所の隣、周囲に住宅街が広がるこの場所に作られることになりました。周囲の住民としては、処理場の面積は小さければ小さいほどいい、もっと言えば、ごみ処理場がなくても困らないくらいごみが出ない生活をしてほしい、というのが心からの願い。だからこそ、あえて昔の処理場の姿を残すことで、環境問題やごみ問題について、他のエリアに住んでいる方々にも考えてほしい、という思いを伝えるためにこの施設があります
今後考えているイベントや取組みについて教えてください。
今回の環境キッズフェスタのような大きなイベントも開催していきたいです。それから、今年の夏「むさしの環境フェスタ㏌SUMMER」という日替わりで様々なワークショップなどが楽しめるイベント月間のような催しがあったのですが、それがすごくよかったと思っています。複数の日程でワークショップがあったので、参加者のニーズに柔軟に対応できる形だったことはこの施設を様々な方に足を運んでいただくことにつながりました。そして、本来のこの施設のあり方として考えられていた、様々な団体や企業にスペースを貸し出して、ワークショップやセミナーを開催してもらう、ということがやっと形にできたことは、運営側も開催する側も大きな成果が得られたと思います。運営スタッフ側は、どのような準備が必要なのか、ということが実感できましたし、開催する側の団体や企業も、エコreゾートはどんなことができるのか、ということがわかって、様々な利用法を広げていくきっかけにもなったと思います。また、ワークショップに参加された方は、まわりにある展示などもみていただけることがわかりました。楽しい体験を作り出すと同時に、学んでもらう・関わってもらう仕組み作りにも取り組んでいきたいと考えています。

インタビュアーからヒトコト

自転車での発電やプロジェクションマッピングなど、施設を活用した面白い展示がたくさんあり、環境やむさしのエコreゾートについて楽しく知ることができました。